埼京支部での活動 報告
2014年10月31日
埼京支部長 松井龍泉
IT部担当総務 緒方心印
1 はじめに
埼京支部における活動は禅フロンティアが2010年から、ネットは2012年2月に心印が入会してから始まった。禅フロンティアは2012年から入会者が出始めて私こと心印もその一人である。
ネットは当初全く成果が出なかったが、金曜青年部静座会でいろいろ試行錯誤した結果、新到者が徐々に増え始め、約半年後、ネット検索で1ページ目に表示されてから状況が一変、ちょうど1年後の2013年2月にネットから初めての入会者として春光禅子が入会した。
2012年~2013年は新到者が急増したが、参禅しても一見さんで終わる方が多く入会まで至らない状況が長く続いた。
リピーターを増やす工夫をいろいろと試行錯誤して、2014年から禅SNSによる個別フォローやメルマガ配信による参禅へのお誘いが軌道に乗り始め、リピーターが増えてから禅フロンティア、IT部参禅会で参禅者が続出し、見性者、入会者が続出するという異例の事態となっている。
以下に施策やその経過を報告するものであるが入会以前の2012年以前のことを知らない為、禅フロンティアの当初活動については情報が不足する点ご容赦願います。
2 禅フロンティア~ネットの変遷とトピック
年月
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トピック
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2010年
H22年
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禅フロンティアが始まる
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2011年
H23年
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日曜静座会で「一行物」始める。
10月 心印来訪 禅フロンティアで初参禅
2011年度 入会者は5名
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2012年
H24年
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禅フロンティアから入会者が出始める。
1月 青年部HP作成
2月 心印入会(禅フロンティアからの入会)
4月 擇木道場HP作成、メルマガ送信開始
5月 京葉支部HP作成
6月 メルマガ購読者 100名を越える
高松禅会HP作成
7月 名古屋禅会HP作成
8月 315アクセス/月
10月 ネット検索で1ページ目表示 新到者急増
ホームページツール開発開始
11月 ネットから春光禅子来訪
12月 中国支部HP作成
女性部HP作成
年間新到者数213名
2012年度 入会者は8名
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2013年
H25年
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ネットが本格化
2月 春光禅子ネットからの初入会者
5月 禅SNSスタート
メルマガ購読者500名を越える
65周年禅フロンティアに450名(144名がネット)
7月 禅SNS 新到者フォロー開始
東北禅会HP作成
西東京支部HP作成
8月 3255アクセス/月
龍吟居士 入会
9月 龍吟居士「会員増加に向けたネット戦略」を発表
ネットが認知され始める
10月 房総支部HP、広島禅会HP作成
11月 広島でネット会議
年間新到者数545名
2013年度 入会者は5名
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2014年
H26年
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IT部が創設
禅SNSは117名が参加
年頭の総裁垂示にネットが紹介される。
1月 龍吟居士「道場活動の手引き」発表
ネットと道場の連携による活動が提案される。
3月 緊急参禅会(後のIT部参禅会)49名参加
4月 緊急参禅会(後のIT部参禅会)74名参加
5月 メルマガ購読者1000名を越える。
メルマガによるリピーター集客が効果的と認識した。
66周年記念式典総裁垂示でネットの状況が紹介される。
6月 関西支部HP作成
8月 第1回 IT部参禅会 メルマガ出さず27名に留まり失敗
9月 6352アクセス/月
札幌支部HP作成
第2回 IT部参禅会 ステップメール出して44名参加。
10月 2014年新到者数601名
第3回 IT部参禅会 ステップメール出して41名参加。
2014年度 入会者は14名(予定含む)
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3 ホームページ関連の分析
ホームページのアクセス数は以前のレポートと直近2ヶ月しかデータがないが、9月は6352アクセス(1日平均210名)である。ネット検索で1ページ目に出るまでは月間で315アクセスしかなかった。
予約や問い合わせは毎月平均16名あり、これがメルマガ購読者に登録されるのでメルマガ購読者数は、現在1281名に達している。
ホームページのアクセス数とメルマガ購読者数(累積)はグラフで角度がほぼ一致しているので、アクセスが多ければメルマガ購読者数も増加するが、これがリピーターに効く。



禅SNSによる新到者フォロー数は161名に留まっており、心印のみでは全参禅者をフォローしきれなかったが、入会者が増えるにつれ静坐会のメンバーがフォローしようという意識に変わってきており、今後はさらに組織的なフォロー体制の確立を考えていく必要がある。
4 新到者と来訪者の分析

2010年から禅フロンティアが始まり、2011年から入会者が出始めた。ネットは2012年から始まり、2013年から新到者が急増して、参禅者が続出、2014年は入会者が続出している状況である。
毎月、300名から450名もの方が擇木道場へ来訪されているが、新到者の数は以前からあまり増加していない。これはリピーターの比率が上がっているとみることができる。
ネットが始まって以降の入会者は静坐会にまず参加してから、静坐会で禅フロンティアを知って参加し参禅を始めるケースが多い。ネットで来訪、静坐会から禅フロンティアへ参加し、参禅して、入会というパターンが一般的である。
5 効果のあった施策について
ホームページのシステムがImpressCMSを使った場合、ブログを定期的に書いていればネットで検索されるようになるのは難しくない。検索のターゲットキーワードは地域+座禅であり、擇木道場の場合は、東京+座禅を狙っている。擇木道場のブログの総エントリ数は667ページであり、これが検索に効いているのは間違いない。
ネットで検索されるようになるとトップページを見る人が増えるが、トップページに座禅の写真など一目でどういう会なのかわからないと他のページへ移動してしまう。擇木道場の場合はトップページの上部には、座禅の写真が貼り付けてあり、座禅会の案内がある。
しかし、ネットの検索で増えるのは新到者が中心であり、再度来訪を促さない限り、一見さんになる方が多い。
それでメルマガを流して、イベントの案内や個別のフォローをメールで行っている。特にIT参禅会の1週間前にはステップメールと言う、参禅、公案修行について啓蒙するメールを龍吟居士に出してもらっている。
これらの施策により、2014年からはリピーターの比率が向上しており、先日のIT部参禅会では5列もの参禅会となった。
また入会について説明する専用のサイトが設けてあり、入会する方はここをほぼ読んでいると予想される。料金から全て明確に書いてあるので安心すると思われる。
禅フロンティアについては従来の毎月開催が隔月になったが、その分IT部参禅会が始まり、相乗効果で変化に富む多彩な活動が可能になってきていると考えている。
6 ネット発展のステップ(歴史)
以下にネットで行った施策の内容と効果を時系列に整理、総括します。
① 2012年1月 青年部HPを作成。まだ入会前であくまでも試験的なもの。ImperssCMSは初めて使い、大阪の自宅サーバーにインストールしてテストした。
2012年4月 擇木道場HPは、当時、龍泉現支部長が作成したものであったが、これをImpressCMSに移行し、同時期に人間禅HPで契約したさくらインターネットのサーバーにインストールした。
② 2012年4月 擇木道場HPにブログを書き始めた。この時点ではまだ坐禅でホームページを作っていた。インターネットを見てきたという方がぽつぽつ出始めたが、次の週は来られないという状況が長く続く。予約が入り始めた。
2012年5月 金曜青年部静坐会の名称を「東京で夜一番遅い坐禅会」とした。
2012年6月 葆光庵老師が視察に来られた。メルマガ購読者が100名を越えたが、まだ毎週は出していなかった。
2012年7月 毎週金曜夜はコンスタントに10名程度は参加するようになった。
③ 2012年10月 ネットの検索を分析して、坐禅を座禅に変更した。
ImpressCMSにSEO対策(検索エンジン最適化)を施して、ネットの検索で「座禅 東京」で1ページ目に出るようになった。ホームページへのアクセス数が急増、メルマガの購読者も200名を越えた。
毎週金曜夜はコンスタントに15名以上は参加するようになったが、リピーターはあまり増えず、毎回4、5名の新しい方が入れ替わるという感じが続く。
ホームページツールを開発開始した。
2012年11月 春光禅子が予約して来訪。
④ 2012年12月 メディアの取材(Webテレビ)、ネット検索で東京禅センター、林泉寺を抜いて4位に浮上。
2012年1月~12月で213名の新到者。
葆光庵老師に初の緊急参禅(早朝のみ)を実施して頂いた(後のIT部参禅会)。
土曜夕方も新到者が増え始めて、15名平均になった。
さらにホームページの内容を充実させ、ブログも毎週書き続けた結果、ホームページを見た方が実際に道場へ足を運ぶようになった。
静坐会で禅フロンティアを案内して、そこで参禅する方が急増し始めた。しかしフォローする体制はまだできておらず続かない人が多かった。
2013年2月 春光禅子 ネットからの初入門者。金曜夜は平均20名が参加して2列座禅が当たり前になってきた。リピーターが徐々に増え始めた。
2013年3月 予約が5、6名入るのが当たり前になってきた。雑誌Voltに紹介された。
⑤ 2013年5月 毎週金曜には必ずメルマガを出すようになった。メルマガ購読者が500名を越え、反響が感じられるようになってきた。
禅SNSをスタートし、新到者フォローを細々と始める。個別にメールを出すようなことを試行錯誤する。
2013年8月 ホームページへのアクセス数が3000アクセス/月を越えた。龍吟居士がネットから入会、金曜の夜ギリギリの予約に返信があったのが好印象だったと語る。ネットの予約や問い合わせへの対応は迅速であることが重要だと判明。他支部のHPも手掛けるようになったが、まだHPを作っただけにとどまりネットとして有機的には機能しない状況。
2013年9月 龍吟居士「会員増加に向けたネット戦略」を発表、ネットが他支部にも認知され始めた。
2013年12月 2013年1月~12月で545名の新到者(前年比 2倍)。
⑥ 2014年1月 龍吟居士「道場活動の手引き」を発表。新到者を受け入れる側のスタッフの対応に問題があることを明確に示す。この後、スタッフ側の対応が明らかに変わり、新到者をフォローして参禅を勧めるという意識が生まれた。またネットでの活動と道場での活動がともに重要であることが提案される。
これにより定着したリピーターが増え始め、メルマガの購読者数も800名を越え、メルマガを出すと金曜夜は3列になるが、出さないと2列に減ることから、メルマガがリピーターに効果的だと判明した。
年頭の総裁垂示にネットが紹介され、禅SNSに加入する人が増加した。
⑦ 従来、擇木道場では初めての方にも参禅を許可していたが、リピートしないことから、初めての方は面談止まりにすることにした。これにより老師の話を聞いた方は次回も来ようという意識が生まれた。リピーターになる確率がぐんと上がった。
新到者や参禅した人をフォローする仕組みや体制がじょじょに整う。
2014年3月 緊急参禅会が実施され、メルマガを出した後、1人1人に個別メールを出すことにより49名が参加した。4月の緊急参禅会では74名が参加した。
2014年5月 メルマガ購読者が1000名を越え、メルマガによる集客が効果的になる。8月のIT部参禅会ではメルマガを出すことができず、HPの告知だけでは27名の参加に留まり、HP上の告知よりもメルマガが重要だと痛感した。
2014年9月 ホームページのアクセスが6000アクセスを越えた。
第2回IT部参禅会ではメルマガを出した後、龍吟居士にステップメールを3回セットで出してもらい参禅の意味を啓蒙した。個別メールも1人1人に出して44名が参加した。
⑧ 2014年4月 ホームページ上の入会の案内サイト、禅SNSの新到者フォロー、メルマガとステップメール・個別メールの活用、IT部参禅会と禅フロンティア、埼玉参禅会による頻繁な参禅会の実施により入会者が続出し始めた。8月の摂心会では上海からホームページを見て参禅しに来られた周禅子がそのまま見性、入会された。毎月のように入会式を行う状況が現在も続いている。
7 支部長コメント 松井龍泉
「ネット」に絞ると、擇木HPの刷新、新到者フォロー、メルマガ、禅SNSの実施になりますが、活動という視点で見ると、それ以前の取り組みにも言及しなければなりません。この点は緒方心印居士がまだ入会していない時期のことなので、私が概説させていただきます。
2007年(H19) 仰月庵老居士が支部長のとき、総裁老師により擇木道場で会議が招集された。これが今に至る活動の起点です。
「擇木道場の活用」について話し合うもので、近隣支部を含めて埼京支部の主要メンバー20名ぐらいが集まった。交通の便が良い擇木道場の門戸を開き、もっと活用できないかというテーマで話し合われた。その中で、1.水、土、日曜(3回/週)静坐会の開催回数を増やす。2.茶道教室などで活用する。3.講演会会場として活用する。ということが提案された。
① 静坐会を火曜、水曜、木曜、金曜、土曜、日曜日(6回/周)に増やし、それぞれの担当を決めてスタートした。(その後、H23.4月に水曜静坐会は中止されたが、H26.5月から「さいたま座禅会」がスタートしたことによって、再開)。
① H19.11月からH21.10月まで13回の「参禅体験会」を開催していた(参禅者22名、内入会者8名)。この「参禅体験会」と慧日庵老禅子(当時東京第二支部支部長)提案のフォーラム開催案とを結合して「禅フロンティア」がH22.5月から開始された。
禅フロンティア→静坐会、禅フロンティアのリピート→面談・参禅→入会の流れが徐々に本流になってきている。
② 禅フロンティアと併せて、土曜午後の「茶書勉強会」、夜の「剣書勉強会」が始まった。その後、金曜青年部、土曜女性部参禅会はH25.9月から開始された。
尚、土曜、日曜静坐会を包含した「禅セミナー」の開始はH24.10月に遡る。
③ 土曜日には金曜静坐会で宿泊した人が参加する朝の静坐会、H25.7月から始めた女性部静坐会も加わり3回/日の静坐会を開催している。
現在、埼京支部が開催している静坐会は火、水(さいたま)、木(耳順会)、金(青年部)、土(朝)、土(女性部)、土(夕)、日曜(朝)静坐会、という合計8回/週となっている。
④ 緒方心印居士のネット広報で坐禅をやってみたいという人が多く静坐会に集まっていて、金曜静坐会では参加者が25名を超えることもある。その流れで土曜、日曜静坐会が参加者25名となった日もある。
⑤ また総裁が折々にお越しくださること、月末の金曜静坐会の後に参禅会を実施して下さること等で、師家と新到が会うことができ、懇親会でざっくばらんに質問をしたりして、老師に接する事ができていることが大きかったと実感している。
⑥ 今年は入会者が増えることを予想していたが、11月末の入会予定者2名を含めて14名になるとは想像もしていませんでした。埼京支部で今まで経験したことの無い事態が起こっている。これは擇木道場での静坐会活動のここ8年の積み上げを基盤に、擇木禅フロンティア・禅セミナーを人間禅の総力で立ち上げ、それを擇木ネットでしっかり広報してきたこの一連の活動の結果と考えている。
以上